2 島田紳助(2009)『自己プロデュース論』

1.あらすじ

二〇〇七年三月にNSC吉本総合芸能学院)大阪で一度だけ開催された、島田紳助による特別講義の内容(中略)

NSCのお笑い芸人志望の若者たちを前に、氏が情熱をもって語りかけた「人生」「仕事」「成功」「カネ」「夢」にあんする智恵が、ここにはぎっしりと詰まっています。(p.2)

 当時、テレビでは観ない日がなかった島田紳助の実践、経験から得た学びがここには記されている。「芸人として成功するための秘訣」が書かれている。しかし、その成功の過程の根幹は、お笑いだけではない職業にも通用するものだと感じた。以下、感想で記述する。

2.感想

「 自分だけの教科書」を作る

僕は自分が「オモシロイ!」と思った漫才師の漫才を、片っ端からカセット・テープに録音していきました。(中略)

そうやって録音した漫才を、今度は繰り返し再生して紙に書き出していく。書き出すことで、なぜ「オモシロイ!」のかが段々とわかってきたんです。(p.12)

 島田は、「自分の感覚を土台にした教材作り」だった。自分の感覚とは,まさに「オモシロイ!」である。その感覚に問いを立て、「なぜそれがオモシロイのか。」「なぜここで笑いが起きたのか」ということの回答を導き出していく過程を何度も繰り返して行った。そうすることによって、納得感を持って前に前に進んでいったのだ。

 私は、納得感というものがとても大切に感じた。納得感を得るためには、まず、本を読む、人に聞く、講座を受ける。といった知識をインプットすることが重要だ。しかし、それだけでは満足してはいけないのだと思う。インプットをしたらアウトプット。アウトプットしながら、自分の目的を再確認して、何度も何度も自分自身に問いを立てることが重要である。

「 X+Yの公式」

「X」は自分の能力。自分は何ができるのか。これは自分にしかわからないのだから、自分自身と向き合って必死に探すしかありません。

「Y」は世の中の流れ。これまでどんなことがあって、いまどんな状況で、五年後十年後、それがどんな風に変わっていくのか。これは資料が揃っているんだから、研究することでわかってくるはずです。(p.30)

 島田の、「「X」を見つけるためにすべきこと」を自分なりの解釈を交えながら、以下にまとめた。

  1. 自分の感覚にピタっとくるものをいくつも発見していく。
  2. 自分の深めたい分野の先行を研究できるだけ研究する。

 「1」を端的に表すと、「自分の感覚との共通点探し」ということになる。なぜ、それが「X」を探すことに役立つのか。それは、共通点探しをする際に重要となるのは、「それぞれ違う個性を結び付けているのは、観ている側の個性(p.28)」だからである。違うものと違うものの共通点から自分の個性を導き出していく。そのために、「2」に努める。研究する。そうすることによって、「自分のやれること、やるべきことがはっきりしてくる(p.28)」のである。

 

3.この話を読んで何をしたいと思ったか

  1. 「X」を導き出したい。自分は将来、何をしたいのか、何ができるのかを考え続けていきたい。プランを立てたい。
  2. 心で記憶することをたくさんする。